Tetsuya Kumakawa K-BALLET COMPANY 『ロミオとジュリエット』
15th Anniversary Spring Tour 2014
現代バレエ界の鬼才・熊川哲也が、2009年、Kバレエ カンパニー設立10周年を飾る演目として世に送り出したドラマティック・バレエの最高傑作『ロミオとジュリエット』。構想からじつに3年を経て待望の世界初演を果たしたこの時、全国で巻き起こした熱狂と感動は、作品が進化を遂げた2011年の上演でさらに高まることとなった。
世にも有名なシェイクスピアの戯曲と、物語を巧妙に綴るプロコフィエフの音楽──そんな絶対的ともいうべき原点を持つ本作の伝統を継承しながらも、熊川は稀代のストーリー・テラーならではの才知と現代感覚をいかんなく発揮し、若き恋人たちの駆け抜けるような真実の愛と、両家の対立がもたらす悲劇とを、かつてない疾走感あふれる展開でより濃密に、極めて演劇的に描き出した。英国美術界の第一人者ヨランダ・ソナペンドとのコラボレーションにより時代考証を徹底させた重厚な美術・衣裳が彩るヴェローナの街の鮮やかな描写、〈バルコニーのパ・ド・ドゥ〉や〈寝室のパ・ド・ドゥ〉、〈マキューシオの死〉といった有名なシーンにも如実に顕れ出る振付の“粋”、戯曲においては端役であるロミオの最初の想い人ロザラインの存在をフィーチャーするなど独自の設定がもたらすドラマ効果……それら意匠をこらした演出の数々が、飽くことなく悲劇の結末へと観客をいざなっていく。
本公演では、圧倒的な躍動感の中で若者のほとばしる情熱と悲哀を名演し、激賛されてきた熊川のロメオ、対するジュリエットには初演および2011年ツアーでも愛に突き動かされてゆくジュリエットをこの上ない可憐さで演じ、強烈な印象を残したロベルタ・マルケス(英国ロイヤル・バレエ団プリンシバル)を迎え、あの忘れがたいパートナーシップが再来を果たすことになる。さらに、荒井祐子×宮尾俊太郎、浅川紫織×遅沢祐介、神戸里奈×池本祥真というKバレエを代表するダンサー陣が豪華競演!留まることなく進化を続けるKバレエ カンパニーが15周年記念第2弾として贈る、この究極のドラマティック・バレエは見逃せない!